1面 長崎76回目「原爆の日」
→昨日8月9日は原子爆弾が長崎に落とされた日。8月6日は広島、9日は長崎と、人類史上初めて原爆が落とされたけど、多くの議論がいまだに残っているよ。
まず原爆を落とす必要があったのか。
太平洋戦争ひいては第二次世界大戦は、アメリカ側の連合国と日本側の枢軸国との戦いだったけど、原爆を落とすまでに、他の枢軸国(ドイツやイタリアなど)は降伏してた。それに日本も東京大空襲などで勝ち目がないことは明らかだった。
だから日本からしたら、
「やりすぎだろ」
「最新兵器の実験台として使ったんじゃない
か」
「他の国に強さを示すためにやったんじゃないか」
という意見があるよ。
でも実際アメリカは、日本に原爆を落とすことにかなり慎重だった。
なぜか。
戦後の日本の統治のことを考えていたから。
だからアメリカ側の意見としては、これ以上日本をこてんぱんにしたくないという思いだった。
でも話はこれだけじゃない。
さっき説明したアメリカ側の連合国には、ソ連がいて、アメリカはソ連と仲が悪かった。
なんで仲が悪いかはまた説明するけど、そんなソ連とアメリカは「ヤルタ会談」というものを開き、密約を結んでいた
どんな密約かと言うと、
【ドイツ降伏後、3ヶ月したらソ連も日本を降伏させるために参戦する】
というもの。
じつはこの3ヶ月というのがすごくポイント。
これ3ヶ月後がいつかというと、8月7日。
つまり8月6日までに日本をアメリカ単独の力で降伏させないと、戦後の日本統治をソ連ともしなければいけなくなる。
ギリギリまで原爆を使わずに戦ったけど、日本が降伏をしなかった。8月6日になっても日本が降伏しなかった。
もし原爆を使ったら日本の国民感情がアメリカから離れてしまう。そんな思いがアメリカにはあったよ。
本当は京都なんかも原爆の爆心地として候補があったけど、日本の歴史を全て壊してしまい、さらに反感を買うということでタイムリミット直前の8月6日に広島に原爆を落とした。
それでも日本は降伏をしなかったので、7日にソ連が日ソ中立条約を破って日本に参戦。9日に長崎に原爆を落とされた時に、日本は降伏を決めたよ。
こういう機会に歴史を振り返ってみるのもすごく大切なことだと思います。
被爆された方のご冥福を心からお祈り申し上げます。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74632030Q1A810C2MM8000/